- 来場者の方から言われたこと
- 自己反省していること
- 総括すると
2023年の6月10日から7月2日にかけて、アートスペースEUKARYOTEにて初個展 “BUILDING BLOCKS: an homage to Seth Siegelaub” を開催しました。
どのようなものかについては、以下の資料をご参照ください。
展示企画書: https://docs.google.com/document/d/1mbYGP5QOkjxo2aw95lUc4QalfB__evkhd6d6kXmzUdM/edit?usp=sharing
会期からしばらく経ちましたが、改めて展示の反省をブログにまとめておこうと思います。
来場者の方から言われたこと
マイニングタワーに付いている金属板は見えにくいので、小さいLEDライトを付けて照らすと良かったのでは?
回答: ごもっともです。確かに暗い部屋であの金属板は視えくにかったです。せっかくお金かけて金属板を作ったのに、詰めが甘かったと反省しています。
説明が無いと内容が良くわからない。特に3階の展示は意味不明
回答: 当初予定にはなかったですが、このような声を受けて上記の「展示の様子および各作品の説明動画」を作成しました。
初個展なので、伊東の人となりがわかるような仕組みや説明があったほうが良い
回答: たしかにその通りでした。説明動画にそもそも自分は何者なのかの説明をもっと入れるべきでした。
結局この展示も既存の制度の中で制度設計の重要性を謳っているだけなのではないか?
回答: 鋭い意見だと思います。こういう展示をした以上は、設計した制度が実際に広く使われないと駄目だと思っています。つまり次の展示 (もし機会があれば) のテーマは、まあそういうことです。
自己反省していること
3階のディスプレイにもっと差を付けるべきだった
rmutt.ethを表示させているディスプレイは、ベゼルレスの高級なものを使用すべきだった。反対に Conceive Yourself of Your Own Context 関連のNFTを表示させているディスプレイはもっとチープで良かったかもしれない。
マイニングマシンは稼働させたかった
有線のネット接続が上手く行かなかったりブレーカーが落ちそうだったりで、結局稼働は断念。来場者の方からも「今マイニングしているんですか?」と良く尋ねられたので「やってます!」と答えたかった。
バナーはDMと同じにすべきだった
EUKARYOTEさんのウェブページに表示されている展示バナーは、展示内容をがっつり言葉で説明しているDM(本ブログ記事のサムネ)をそのまま使った方が絶対に良かった。ビビって既存のアート業界の慣習に寄せてしまった自分を強く戒めたい。
現代美術畑と暗号資産畑(NFTではなくBitcoinやEthereumを好む人たち)を繋げるという裏目的は、あまり上手く行かなかった
出来る限りのことは試みたが、やはりまだ壁は厚かった。暗号資産の保有者に自作を購入していただきたかった&現代美術コレクターに自律分散的な制度の面白さを啓蒙したかったが、ダメだった。これは地道に継続していくしかないと思う。
総括すると
このように反省点も色々ありましたが、展示は総じて上手くいったと思います。
売上や評判などの客観的な指標も初個展にしては悪くなかったですし、何より主観的なことを言えば、自分のアーティスト力 (コンセプト面もモノ作り面も) が非常に伸びた実感があります。
改めて、展示の機会をくださったEUKARYOTEさん、企画書にコメントをくだった皆様、設営に協力してくださった皆様、本当にどうもありがとうございました。
願わくばまた展示の機会を得て、さらにアーティスト力を磨きたいと思っています。
*今回の個展に関しては、現在図録を制作中です。この図録は展示風景のみならず、テキストやインタビュー、海外論文などを追加収録する予定です。刊行時期が明らかになり次第、改めて告知いたします (現在編集中ですが非常に手応えを感じています)。